SSブログ

大倉精神文化研究所(1) [建築、デザイン]

今年は新年早々、東京株式市場が高値をつけたり、

アメリカが財政の崖からの転落を逃れたり、

久々に円安になったりと、 

opas10が引いた大吉が、

本人以外のところでご利益を発揮しているようです(笑)。

 

一方で未だにご利益のない本人ですが、

昨年11月以降は、急激に寒くなった気候と多忙のせいで

全く建築探索活動ができなかったのが、

今年は、新年5日目にして早くも2回目の探索です。

 

Y天寺からT急T横線に乗って(なぜか伏字・笑)20数分、

大倉山駅を降りて急坂を登りきった頂上にあるのが

 

okura1.jpg

「大倉精神文化研究所(現・横浜市大倉山記念館)」、

竣工は、1932(昭和7)年。

okura2.jpg

設計は、日本建築界第二世代を代表する名手であり、

ギリシャ古典様式を徹底して追求して、

幾多の銀行建築の名作を生みだした長野宇治平です。

 

なのでエントランスの堂々たる列柱は、

okura3.jpg

まさに長野が最も得意とするところです。

ところが、この円柱よ~く眺めると、

ギリシャ神殿建築でオーソドックスな

エンタシス(上下が細く真ん中が膨らむ)じゃなくて、

下を細くするプレ・ヘレニズムという極めてマニアックな様式。

 

中に入ると、

okura4.jpg

まず正面に階段が。

なにやら神殿にアプローチするような雰囲気です。

吹き抜けとなっている階段を見上げると、

okura5.jpg

天窓から光が差し込み、

一種独特の空間を作り上げています。

 

吹き抜けには、

okura6.jpg

ライオンと鷲。

 

階段の正面にある講堂には、

この日発表会があって入ることはできませんでした。

その上のフロアは、

okura8.jpg

回廊の左右に小さな会議室が配されており、

okura7.jpg

こじんまりした中にも濃密な意匠が施されていました。

 

今回大倉山精神文化研究所を訪れたのは、

建築探索だけが目的でなく、

okura9.jpg

ギャラリーで開催されている

okura10.jpg

「古賀国夫絵画展」を見るためでもあったのです。

(つづく)

 

日本の近代建築〈下 大正・昭和篇〉 (岩波新書)

日本の近代建築〈下 大正・昭和篇〉 (岩波新書)

  • 作者: 藤森 照信
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 1993/11/22
  • メディア: 新書

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

世界の経営学者はいま何を考えているのか――知られざるビジネスの知のフロンティア

  • 作者: 入山 章栄
  • 出版社/メーカー: 英治出版
  • 発売日: 2012/11/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

映画「けいおん! 」公式ガイドブック  ~桜高軽音部 Travel Diary~ (まんがタイムKRコミックス)

映画「けいおん! 」公式ガイドブック ~桜高軽音部 Travel Diary~ (まんがタイムKRコミックス)

  • 作者: 原作:かきふらい
  • 出版社/メーカー: 芳文社
  • 発売日: 2012/12/26
  • メディア: コミック


nice!(30)  コメント(8)  トラックバック(0) 

nice! 30

コメント 8

八犬伝

おめでとうございます。
5日で2回目とは、いいペースですね。
今年も楽しみにしています!
by 八犬伝 (2013-01-06 21:41) 

ぐす

あの・・・

・・・

いまさらなんですが・・・

・・・

opas10さん?


えっと・・・

ずーーーっと、opus(作品)だと思ってましたm(__)m

by ぐす (2013-01-06 23:00) 

carotte

なんかすごい建物ですね。中の正面階段は、なんだこれ!って感じです。自分の好きなように思いっきりデザインしたんでしょうね。本当にマニアックです。
今回は電車なのですね。この数日は凍えるような寒さで自転車はちょっと厳しいですね。
by carotte (2013-01-06 23:21) 

Jetstream777

昔大倉山にいましたが、こんな立派な建物があるとは。そう言えば頂上にあったかも。私は株高、円安の御利益には無縁です。
by Jetstream777 (2013-01-08 08:05) 

cjlewis

この時代の建築家は、幸せだっただろうなあ~
と、急に思ってしまいました。

今の建築家でも、例えば、安藤さんとか、妹島さんの建築物は
とってもかっこいいと思うし、大好きなのですが、
それでもやっぱ、空間のとらえかたが違うっていうか、
上手く言えないんですが、
昔の建物は空気がふんわり貯まる空間が心を落ち着け、
今の建物は風が心地よく抜ける軽さが落ち着く、
そんな印象です。
今の時代に、空気がふんわり貯まるような建物を建てたいと思っても、
叶わないのでしょうね。。。

by cjlewis (2013-01-09 17:29) 

opas10

八犬伝さま
昨年の年末低調だった分、今年は早い時期から活動を開始しました。今年もよろしくお願いいたします。

ぐすさま
この名前、ご推察のようにあの有名なワインの銘柄、opus1をもじってまして、数字を変えただけではあまりにヒネリがないし、opus(作品)というには程遠い内容(笑)のブログなので、uじゃなくaになっちゃいました。

carotteさま
はい、実に不思議な空間です。この建物、長野宇治平の生涯最後の作品で、彼は設計人生の集大成として取り組んだようですが、欧州古典を突き詰めたら、なんだかメーターが振りきれちゃったみたいです(笑)。

Jetstreamさま
はい、まさに山のてっぺんにあります。今は横浜市が買い取って、一般に公開しており、大倉山駅前の商店街もこの建物にちなんで円柱をつけたりしてます。

Cjlewisさま
あの時代の建築家と今の建築家の空間の違い、確かに感じますよね。前川國男さん、村野藤吾さんあたりの年代までですとふんわりした空気感が存分に味わえたのですが、内藤廣さんあたりになるとそれが薄れてきて、
安藤さん、妹尾さんになると空間がやや鋭利になるというか。私見ですが、
やはり建築材料と工法が与えた影響が大きいのかなあ、と思っています。
by opas10 (2013-01-12 12:59) 

ぐす

いつもながら記事本文に関係ないコメント失礼しましたm(__)m

残念ながらおいしいことはあまりありませんでした(^_^;)

by ぐす (2013-01-14 02:25) 

opas10

あらら、てっきり隠れて美味しいことをされるので「探さないで」なのかと思ってました(笑)
by opas10 (2013-01-14 12:59) 

コメントを書く

お名前:[必須]
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。