内田ゴシックじゃない東大の近代建築 [建築、デザイン]
それにしても今年は急激に寒くなってきました。
写真のフォルダーを見てみると、去年や一昨年は、
11月下旬でも普通にチャリで遠出していましたが、
今年はこう寒くなると、とても・・・・。
さて、まだ夏の熱気が少し残っていた先月上旬、
久しぶりに本郷の東大構内へ潜入しました。
東大の建物といえば、
あまりに有名な安田講堂を始め、
工学部一号館や
法学部のアーケードのような、
工学部教授・内田祥三の手による
「内田ゴシック」の数々があまりに有名です。
しかし、アマノジャクなopas10は、
東大構内に散在する非内田ゴシックを探して回りました。
内田ゴシックの代表ともいえる安田講堂の裏手に、
やけにすっきりした赤レンガの建物が佇んでいます。
理学部化学館、1916(大正5)年の竣工。
東大構内最古の建物です。
設計は、当時の帝大営繕課長・山口幸吉、
あの武田五一の同期生です。
内田ゴシックは、
関東大震災で壊滅的な被害を受けた校舎を建て替えたものですが、
この理学部化学館は震災を耐え抜いた貴重な建物なのでした。
東大といえば赤門が有名ですが、
正門はこちら。
1912(明治45)年、あの忠太センセイの手によるものです。
伝統的な冠木門スタイルを受け継ぎつつ、
建築素材は石や鉄という和洋折衷スタイルなところは、
いかにも忠太センセイ、と思うのですが、
冠木門スタイルを原型にするのは、
当時の総長・浜尾実のリクエストだったそうです。
この門衛所のスタイルもなかなか興味深いものがあります。
注目するのは屋根を支える部分。
大斗や肘木といった組み物で軒を支えるという、
伝統的な日本の寺社建築の構造ですが、
素材がコンクリートなんです。
最後は、内田の手によるものですが、
内田ゴシックっぽくない第二食堂。
1934(昭和5)年の竣工です。
どことなくアールデコというかドイツ表現主義というか、
珍しく遊び心を感じる建物です。
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今回もたくさん勉強させてもらいました。
ありがとうございました。
by kurakichi (2012-11-24 21:45)
門衛所、外国人が丁髷を結っているような・・・(^O^)
by ぐす (2012-11-25 00:18)
東大の正門は忠太先生っぽいですね。和と洋が一体になりながらも創作者の個性がみごとに表現されてます。と言いながら、画家の梅原龍三郎を思い出してしまいました。油絵を日本の風景にすっかり取り込みながら自分らしい傑作を残しているところが共通してます。そして二人とも力強い。並の才能じゃないですねえ〜。
by carotte (2012-11-25 09:55)
Kurakichiさま
いえいえ、トンデモないです。ネタ切れ寸前でお恥ずかしい限りです。
ぐすさま
あ、なるほど、確かに見えます(笑)
carotteさま
忠太先生も梅原龍三郎画伯も、とんでもない「消化力」をもっていますよね。ひとつの作品の中に、舶来モノに対する「守破離」のすべての要素が入っていて、その上でちゃんとジャパニーズスタイルと調和がとれているので、やはり天才としか言いようがないです。ちなみに、忠太先生の師匠である辰野金吾は、生涯「守」から抜けだせなかったです。
by opas10 (2012-11-25 15:26)
東大の建物も、関東大震災や学園闘争、歴史を刻んでますね。
by Jetstream777 (2012-11-25 21:51)
Jetstream777さま
内田ゴシックは、見方によっては仰々しくも見えるので、学園闘争の時代には権威の象徴として目の敵にされたんだろうな~と思います。
by opas10 (2012-12-08 12:01)
金髪のトナカイさんですか?
猫耳ちゃんでしたら二体ありますが(笑)
by ぐす (2012-12-16 00:11)
金髪トナカイさんは一番最初にゲットしました、同じ誕生月なもので(笑)。
by opas10 (2012-12-16 15:56)