8月の金沢(10):街中の近代建築 [建築、デザイン]
先週末、大学時代の悪友と山中湖で合宿をしました、
「肝臓強化合宿」(笑)。→ホントは運動しようとしたのだが・・・
とはいえ、寄る年波には勝てないようで、
昔のように夜通し騒ぐ、なんてことには程遠く、
12時過ぎには飲み疲れて全員揃って大人しく寝ました(アレレ・・)。
さて、未だに引っ張り続けている金沢、
ようやく本職(?)の近代建築編です。
今回は、市内観光の時間が一日だけだったのと、
名所旧跡が思いのほか面白かったため、
建築を追いかける時間が、県庁以外ではあまり取れませんでしたが、
それでも押さえるべきところはちゃんと押さえました(笑)。
まずは、こちら。
兼六園と並ぶ金沢のシンボル、犀川にかかる、
トラスが美しい「犀川大橋」です。
1924(大正13)年に、
日本における橋梁技術の先駆者、関場茂樹の設計により完成。
当時は関東大震災の復興のために、日本中で鋼材が払底していていたことから、
この橋の一部には英国産の鋼材が使われているそうです。
やはり昭和初期の橋は、美しいですね、
力学から導かれた必然性による無駄のない構造美です。
ちなみに、登録有形文化財にも指定されています。
金沢のかつてのメインストリート尾張町界隈には、
加賀百万石の栄華を偲ばせる趣ある建物が密集しており、
近代建築も数多現役で残っています。
「旧高岡銀行橋場支店」(現金沢文芸館)。
1929(昭和4)年、清水組の設計・竣工による
ネオ・ルネサンス様式の名品。
敷地の形状のせいで、
ファサードが左右均整でなく折れ曲がっています。
ここは内部も見ごたえがあるそうですが、
この日は閉まっていました、残念。
旧高岡銀行から歩いて1分のところにあるのが
「旧三田商店」。
バルコニーとスクラッチタイルが印象的です。
細部の装飾も美しく、国の登録有形文化財にも指定されました。
金沢は、前田家の治世以来都の影響を色濃く受けてきましたが、
近代建築においても、
京都近代建築の祖である武田五一の建築が、
金沢・尾張町に建っていました。
旧石黒ファーマシー本社、1926(大正15)年の建物です。
シンプルでありながら、否シンプルだからこそ、
細かい意匠にも細心の注意を払う武田ならではのバランス感覚が見て取れます。
面白いのが窓の形状で、
2階と4階の窓は縦長ストレートですが、
3階部分だけは壁面にアーチの意匠を施しています。
これを見て思いだしたのが、
京都市役所の横に建つ「島津製作所旧本社」。
こちらは3階の窓枠自体がアーチ型になっています。
石黒ファーマシーの翌年、1927(昭和2年)に竣工。
武田は、設計の監修を、
実際の設計は、武田門下生の荒川義男が行いました。
たぶんこの二つのビルの設計は同時進行で行われており、
アーチ窓の仕上げの違いは、建築予算が影響したのではないかと想像しています。
これはバスの中からしか撮れなかったので
あまりよい写真じゃありませんが、
金沢の中心地、武蔵が辻に建つ名建築
「北國銀行武蔵が辻支店」 です。
銀行建築としては異色な、ドイツ表現主義の影響が見て取れる建物は、
巨匠・村野藤吾の手によるもので、1932(昭和7)年の竣工。
美しい尖塔アーチ窓が特徴で、夜にはライトアップもされています。
夕方の犀川大橋の上からみた入道雲。
夏真っ盛りの頃でした。
(つづく)
『けいおん! ライブイベント ~レッツゴー!~』LIVE CD! 【初回限定盤】
- アーティスト:
- 出版社/メーカー: ポニーキャニオン
- 発売日: 2011/11/16
- メディア: CD
あの猛暑を思い出させていただきました^^)
金沢はいい建築がたくさん残っているのですね。。。
鉄製の橋は大好きです~みとれます(^w^)
by rtfk (2011-10-15 17:32)
現地で近代建築巡りをしたような気分になれました。^^
旧三田商店は豪華な建物ですね。一階にはお店があるようですが、雰囲気を壊してないところがいいです。
お酒で夜通し......昔は飲んでるうちに朝に、なんてことがよくありましたが、今では飲み始めると10時くらいから瞼が重くなってしまいます。くやしいですね。
by carotte (2011-10-16 09:59)
rtfkさま
喉元過ぎれば・・・で、あの猛暑を忘れかけていたのですが、入道雲の写真を見ていると蘇って来ますね(汗)。特にあの写真を撮影した日は、猛烈に暑かったです。
carotteさま
旧三田商店、本当は中にも入りたかったのですが、ちょうど夕方で西日がジリジリ照りつけていて、日陰から出て道路を渡るだけでも、すんごい勇気が必要で、アッサリ挫折しちゃいました(笑)。
by opas10 (2011-10-16 17:11)
最近は、軽量化で鉄橋はつくらないんでしょうか? 鉄橋は郷愁を誘うますね。
by Jetstream777 (2011-10-16 20:38)
Jetstream777さま
やはりメンテが大変なのと、素材の進歩の関係と推察されます。でも、やはりあの構造美は鉄橋ならではですね。
by opas10 (2011-10-23 13:44)