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建築行脚@上野の森(2) [建築、デザイン]

機能性を重んじたコルビジェの西洋美術館の隣には、
非常に好対照な国立科学博物館の重厚な建物があります。
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文部省の監修によって建てられ、建築家の名前は不明のようですが、
内田祥三の手による一連の東大関係の建物と同じ傾向が感じられます。
1931年の竣工なので時期もばっちり重なっています。
内田祥三が直接に関わっているかどうかは不明ですが、
文部省関係の建物なので、当時の帝大建築学科が
かかわっていた事は間違いないでしょう。

国立科学博物館の前を通り過ぎると、
正面に帝冠式の建物が迫ってきます。
近い距離では全体像が把握できないので、
少し離れたところから撮影しました。
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銀座・和光や第一生命館を手がけた渡辺仁の手による「東京国立博物館本館」です。
建築史に詳しい方々にとっては、
「帝室博物館」の名前の方が馴染みがいいかもしれません。

和光や第一生命館のような欧州古典主義の名手として知られる渡辺仁ですが、
この建物は「和」が相当強く出ています。
書物によると、この建物はコンペで渡辺の基本設計が採用されたものの、
当時の常で実施設計の段階で屋根の反りや正面の破風が付けられたそうです。
とはいえ、この建物の帝冠式は、軍人会館(九段会館)や神奈川県庁のような
押し付けがましい、脂ぎったイデオロギー臭がなく、極めて自然な和洋折衷であると
あの藤森照信先生も絶賛していました。

東京国立博物館には、更にもうひとつ、
明治後期から大正にかけて西洋建築の名手といわれた片山東熊の手による「表慶館」
があります。
現存する片山東熊の建築物は、ここのほかには赤坂離宮くらいです。
ところが、生憎の休館日でそばに近づけず、
仕方なく遠くから塔の部分だけをカメラに収めました。
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(つづく)
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