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忠太先生の築地本願寺(2) [建築、デザイン]

前々回に掲載した「両国で忠太先生の妖怪(1)」で、

東京都慰霊堂は、キリスト教の大聖堂と同じバシリカ様式であることを

やたらとシツコク力説したのですが、

この築地本願寺も、どこか欧州の大聖堂のニオイを感じるのです。

 

まず、本堂の入口の上にはステンドグラス。

hong21.jpg

さすがに絵柄は仏教らしく蓮がモチーフですが、

中から見るとこんな感じで、

hong22.jpg

お寺というよりもやはり教会っぽいんですよ。

 

本堂の中に入ると、やはりバシリカ様式です。

hong24.jpg

東京都慰霊堂ほど天井が高くないので、

ゴシック大聖堂のような、上方向への意識はあまり起きません。

 

そのかわりここにはパイプオルガンがあり、

hong23.jpg

仏教寺院としてはなかなかにして洋風です。

 

築地本願寺がこのように和洋折衷というか

インターナショナルな色合いが濃いのは、

伊東忠太の嗜好だけでなく、

クライアントである本願寺派第22世法主大谷光端の影響も

相当反映されているはずです。

大谷光端は、宗教家にして探検家であり、

また孫文を支援して中華民国の最高顧問になったり、

日本の内閣顧問や参議になったりと、

とにかくスケールのでかい人物だったようです。 

伊東忠太とは、西域探検で出会い、

パトロンとして忠太に存分に腕を振るわせました。

 

和洋折衷もうひとつの見どころは、

窓の表情です。

hong27.jpg

モチーフは仏教ながらも、

どこか洋風のニオイがするんですよね。

hong28.jpg

 

忠太センセイの建築は、

ともすると妖怪にばかり目がいってしまうのですが、

階段室の端正な佇まいを見ると、

hong25.jpg

オーセンティックな空間づくりにおいても

とんでもない技量の持ち主であることがわかります。

 

さて、連休明けの何とも気勢の上がらない一週間でしたが、

8日(火)からまたまたローソンで

「映画けいおん!フェア」が始まってしまいました。

今回の景品もクリアフォルダー。

honk1.jpg

このほかにメンバーひとりづつバージョンがあり、

このオジサン、いいトシして初日にすべてゲットしてるし(爆)。

 

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コメント 5

carotte

ここも中が個性的ですね。和洋折衷は時にぎくしゃくして悪趣味になりがちですが、なんとはなしに落ち着きがありますね。パイプオルガンのパイプも全体に馴染んだ感じがします。面白い建物です。
by carotte (2012-05-14 00:22) 

kurakichi

ディテールの詳しい解説とても勉強になりました。
忠太センセイ 素晴らしいです。
by kurakichi (2012-05-14 07:04) 

opas10

carotteさま
本願寺の和洋折衷、不思議としっくりくるんですよ。むしろ皮は和でありながら骨格は洋という感じでしょうか。日本建築のルーツはギリシャにあり、と喝破した忠太先生らしさが存分に味わえる建物です。フランスの大聖堂を知るcarotteさまなので、本願寺をご訪問されると大聖堂と空間がものすっごい似ていることがすぐにお分かりいただけると思います。

kurakichiさま
実は忠太センセイを語る上で、ホントはあと2件素晴らしい物件がありまして、そこは恥ずかしながらまだ未踏なんです。一件はkurakichiさまの地元にほど近い一橋講堂で今年中には訪問したいと思っています。もう一軒は京都にある本願寺信徒生命で、ここは過去2回訪問したものの補強工事中で廻りがブルーシートで囲われていました。
by opas10 (2012-05-20 11:14) 

Jetstream777

浄土真宗のお寺なのに、外観も内装もモダンですね。 これは建築家の粋な感覚ですね。 内部は伝統的な作りのようですが、洒落てますね。一昔まえにこのような寺院が建てられたのはスゴイし、建築家である伊東忠太博士は実現力も含め素晴らしいとおもいます。

by Jetstream777 (2012-05-21 13:08) 

opas10

Jetstream777さま
忠太先生の手掛けた建物を言葉で表そうとすると、まさに「粋」がぴったりきますね。この築地本願寺は、建築家である忠太先生の構想力と、施主である大谷光端の度量が揃うという、奇跡のような巡り合わせが生み出した傑作だと思います。
by opas10 (2012-05-27 16:34) 

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