両国で忠太先生の妖怪(1) [建築、デザイン]
前回の「チャリ遠征日和」でご紹介しましたが、
4月29日は、建築写真の収穫は何もなく、
チャリで横浜に遠出しただけで終わってしまいました。
なので翌30日は、その反省をもとに(?)、
今日は都内でちゃんと建築写真を撮るべく出かけたのでした。
しかし、特にアテはなく気分次第(笑)。
増上寺の界隈でなんとなく東京タワーを撮影。
いつものように、日比谷公園から内堀通り、
さらに大手町を通り、神田の裏道を抜けていると、
今度はスカイツリーが姿を現しました。
そのまま岩本町を通過して、
両国橋の手前でちょっと寄り道してから両国。
さて、どこへ行ったものかと考えていると、
数日前に読んだkurakichiさまの記事を思い出しました。
「東郷寺に行ってみたⅢ」でご紹介されていたのが、
東郷平八郎ゆかりの東郷寺に行かれた際に発見した、
ちょっと日本離れした表情の鬼瓦です。
kurakichiさまが調べたところ、
東郷寺を設計したのは、あの伊東忠太センセイ!
鬼瓦の表情が確かに、例の妖怪に似ているんです。
そういえばしばらく忠太先生の妖怪にも会っていないな~、
ということで久々に横綱町公園の「東京都慰霊堂」へ。
まずは中に入って、入口上の照明器具を抱える妖怪様にご挨拶。
この妖怪、どこかユーモラスな表情をしています。
前から感じているのですが、
築地本願寺といい、この東京都慰霊堂といい
忠太センセイが設計した、大規模な祈りの空間には、
どうもヨーロッパの大聖堂のニオイがするんですよね~。
特にこの東京都慰霊堂は、典型的なバシリカ様式で、
身廊の左右に列柱で仕切られた側廊という、
ルネサンス以降の欧州の大聖堂の様式です。
しかも、今回改めて側廊をよ~く見ると、
柱と壁面を上部で繋いでいるのは、
梁というよりもフライングパッドレスを意識した意匠ではないかと。
また、建物の上部に窓を設けて、光が上から差し込むようにするのも
ゴシックの大聖堂に共通するものです。
気がつけば今回は内部の様式の話になってしまいましたが、
忠太センセイの妖怪はまだ続きます。
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拙ブログを紹介していただき、またリンクをも設定していただき 誠にありがとうございます。
貴兄の詳細にわたる建築の解説 知識の無い私にはとても参考になり感謝しています。
忠太センセイの続き楽しみにしています。
ありがとうございました。
by kurakichi (2012-05-03 21:06)
和風なのか洋風なのか?不思議な建築物ですね。
堀北真希さん、これから常駐ですか?(^o^)
by ぐす (2012-05-03 23:14)
これはどう考えてもお寺と教会の融合ですね。いつも外からしか眺めたことがなかったのですが、中はこんな異様な(?)空間になっていたのですね。教会が縦に伸びる感じなのに比べると、こちらは水平にどっしりした感じになっていますね。
by carotte (2012-05-04 00:12)
Kurakichiさま
こちらこそ引用とリンクをご快諾いただき、さらには勿体ないお言葉までいただき、どうもありがとうございました。東郷寺にものすごくインスパイアされて、改めて忠太先生の妖怪を眺めたくなりました。なので今回のシリーズは、kurakichiさまが生みの親なんです、kurakichi母さん(笑)。
ぐすさま
忠太先生の場合、意図的に東洋も西洋もごっちゃにしているんですよね。なにしろ、建築のシルクロードがあるに違いない、と言いだして、中国からインドを通って欧州まで行ったお方なもので。けいおんと真希ちゃんはこれから常駐でっす、フンス(とまた鼻息荒く)
carotteさま
ぜひ一度あの内部に入ってみてください。まるでゴシックの大聖堂の空気なんですよ。それに実際は写真よりも縦に伸びている感じがあり、本願寺よりもこちらの方がずっとゴシックっぽくて面白い空間です。
by opas10 (2012-05-04 17:42)