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東京文化会館のホワイエ [建築、デザイン]

開祖(長男)の所属するクラブの定期演奏会が、

今年も上野の東京文化会館で開催されました。

開祖にとっては、今回が大学最後の定期演奏会ということで、

北方よりバアチャン(opas10の母親、80過ぎ)まで上京。

一家総出で駆ける大騒ぎの中、

opas10は、ひとり黙々と撮影に励む(笑)。

soto2.jpg

なにしろ東京文化会館は、

前川國男ファンにとって重要な「聖地」のひとつです。

今回は、内部を入念に撮影しました。

interior1.jpg

前川が、ホールのホワイエの設計に際して掲げたコンセプトは、

「外部のような内部」の空間でした。

建物の中にいても上野の森を歩いている感覚を失わないことを

最大の目的にしていました。

interior5.jpg

このコンクリートの列柱は、

建物を囲む大きな木々が、そのまま内部に連続していることを

イメージしているようです。

interior2.jpg

こうやってみると列柱は、

動線を邪魔せず、視界も遮らず、かといって存在感はきちんとあるという、

実に絶妙な間隔で配置されています。

 

大ホールのホワイエ空間で面白いのが、

この三角形の谷間です。

interior3.jpg

ものすごっくダイナミックな造形で、

その昔地理の時間に出てきた「扇状地」なんていうのを思い出しました。

 

大ホールのメインエントランス。

interior4.jpg

砕石仕上げのプレキャスト板の壁面は、

内部空間の仕切りというよりも、

建物のExterior(外壁)のようなスケールと造形です。

これは、ホワイエが「外部のような内部」であることから、

ホールの中に入ることによって初めて外部と遮断される、

つまりは「建物の内部」に入ることを想起させる意味もあるのでしょう。

 

2300人収容の大ホールは、音響の良さで定評があります。

Hall1.jpg

彫刻家向井良吉のレリーフで装飾された音響壁が、

圧倒的な存在感を示しているのでした。

(携帯で撮ったのでボケボケですが)

 

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コメント 5

rtfk

柱の存在感がすごいですね。
決して邪魔にはなっていないのですね^^)
by rtfk (2011-12-25 16:25) 

carotte

ちょっとやそっとのことではびくともしないような力強い柱ですね。そして天井にちりばめられた明かりが夜空の星のようにも見えます ^^;
東京文化会館のホールと言えば、向井良吉のレリーフですね。思わず目が行ってしまいます。
大学最後となれば、そりゃあ家族総出になります!
by carotte (2011-12-25 21:16) 

かに吉

星空のような天井ですねぇ
建物の中なのに外にいるかのような感覚
わかるような気がします ^^
by かに吉 (2011-12-25 22:43) 

Jetstream777

ところで演奏会は如何でしたか? (笑)
どっしりとした柱があるのは安心ですね。
梁がむき出しなのもいいですね。 私の家も梁むき出しにしたくて、SE工法という工法で建てました。
by Jetstream777 (2011-12-27 17:20) 

opas10

rtfkさま
機能を邪魔せず、でも猛烈な存在感を示すことができるあたりは人間工学を考え尽くした前川ならではの技ですよねー。

carotteさま
さすが通でいらっしゃる!向井レリーフは、大ホールの顔ですよねー。今回は、一家親族総出の大イベントでした。

かに吉さま
外部との一体感、この時間帯の天井照明もよいですが、もう少し明るい時間に中から外を見るとまた別な趣があっていいんですよ!

Jetstream777さま
SE構法は、梁と柱の強度を重視しているのですよね、コルビジェのドミノシステムそのもの!コルビジェの流れを汲む前川の建築にも共通するわけです。

by opas10 (2011-12-28 20:27) 

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