九段下ビル [建築、デザイン]
先日、森美術館で開催されている、
「メタボリズムの未来都市展」を、
黒川雅之さん(黒川紀章さんの弟)の解説つきで見学する、
という大変ゼイタクな機会に恵まれました。
これまで自分の興味の埒外だった60年代日本の建築界において、
建築家たちが未来と技術、人間の進歩に夢と希望をもち、
どこからも財政支援を受けず自らの意思だけで、
厖大な実験と提案を行っていたことを知り、
その熱気に圧倒されました。
黒川さんも、
現在のような、閉そく感に溢れた時代だからこそ、
あの時代の熱気を伝えるために今回の展覧会を企画した、
と仰っていました。
さて、先週岡田ファン様のブログで、
九段下ビルが今年いっぱいで解体されることを知りました。
設計は南省吾、
震災復興事業の一環として建てられた商用施設兼用の復興住宅で、
1927(昭和2)年竣工。
同潤会アパートや聖橋などと並んで、
震災後の東京のランドマークと称されたこともあります。
opas10は、昨年まで「おじさん集団」こと社外の団体活動で、
2年ほどほぼ毎月九段下の事務所に通っていたので、
地下鉄九段下駅を出て暫くすると目に入って来るこの眺めは、
すっかりお馴染みです。
今回取り壊されるまでの期間、
ビルの一室がギャラリーとして開放されており、
内部を初めて見ることができました。
かつては、1階が店舗、2階が店主の住宅、3階は貸事務となっていました。
今回のギャラリーは、3階です。
部屋の外にも出られるようになっていました。
3階でも手すりがないのでちょっとコワイ。
さらに屋上にも出られるようになっていました。
長らく手入れがされていなかったようで、
表面の老朽化は隠しようがありません。
木製の窓枠に時代を感じます。
きちんと手入れされていれば
もっと使えたかもしれませんが、
所有区分が細かく分かれていたので調整がつきにくかったのでしょう。
昭和がまたひとつ東京から姿を消します。
九段下ビルを見に行く直前には、
なぜか六本木ヒルズにおりました。
行き先は、メタボリズム都市展、じゃなくて、TOHO Cinema。
何を観たのかは・・・・武士の情けで聞かないでおいてくだされ(笑)。
なにせ前売り券を3枚購入していたので(爆)。
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九段下で見たかも・・・あるいは懐かしさがそう思わせるのかも。
いずれにしても解体は寂しいですね。
by ぐす (2011-12-18 16:13)
ここを通るたびにずいぶん寂れた建物だなと思うだけで、遠くからその姿をじっくり見るなんてこともありませんでした。そういう建物だったんですね。私が頻繁にここを通っていたのはだいぶ前のことですから、さらに老朽化が進んでますね。神保町あたりは路地を入ると面白い建物が並んでたんですが、だいぶ姿を消してしまいました。
by carotte (2011-12-18 22:06)
昭和は遠くになりにけり。
by U3 (2011-12-23 15:50)
ぐすさま
九段下界隈のちょっとしたランドマークになってましたから、たぶん視界の隅に入っていたと思います。一階部分には、昭和な喫茶店が2軒並んで入っていましたし。
carotteさま
九段下ビル、寂れ加減はかなり目立っていましたよね(笑)。原宿にあった同潤会アパートみたいに蔦絡ませるとかしておけばまだよかったのでしょうけど。神保町界隈の裏道、この不景気のおかげ(?)で古い建物が消えるスピードが少し減速しました。果たして良いことなのか、あまり良くないことなのか微妙ですが・・。
U3さま
あ、まさにその言葉がピッタリきますね!!
by opas10 (2011-12-24 11:09)