opas10のプロフ写真の建物とは? [建築、デザイン]
ぐす様のブログを読んでいたら、
7月5日は、ロッテの若きエース唐川投手の誕生日だったそうですね。
7月上旬が誕生日の著名人には、
「ローマの休日」の監督ウィリアム・ワイラー(7/1)やダイアナ元妃(7/1)、
交響曲の巨人マーラー(7/7)なんて方々もいらっしゃいます。
ちなみに「けいおん」でキーボードを担当するムギお嬢様の誕生日も
7月2日という設定になっております(笑)。 ©かきふらい・芳文社/桜高軽音部
そうした著名人に混ざって全く著名でないopas10も、
唐川投手の翌日に誕生日を迎えてしまいました。
年齢は・・・・ああもう誕生日なんて来ないでくれ・・・となるようないいトシです。
普通このトシになったら「けいおん」とかに絶対にハマらないはずなんですが、
昔から「~らしく」とか「~のくせに(・・してはいけない)」という枠組みが大嫌いなので
これは一生変わらないでしょう。
さて今回は、そんな年甲斐もない(?)opas10が
ずっと変わらずにプロフ写真に使い続けている建物の正体のカミングアウトです。
勿体ぶるほどのものじゃないのでさっさとカミングアウトしちゃいましょう。
あの、ちょっと不思議な物件の正体は、
「江戸東京たてもの園」にある「常盤台写真館」です。
初めてこの建物と対面したのは今から7~8年前、
まだ小学生だった師匠を連れて江戸東京たてもの園に遊びに行った時でした。
まだ建築マニアになる前の自分にとっては、
レトロな味わいだけが妙に印象に残った建物でした。
それが昂じてプロフ写真に使い続けてきたのですが、
今年のゴールデンウィークに久々に対面しました。
竣工は、1937(昭和12)年。
ファサードは、ドイツ表現主義+アールデコ、
江戸橋の「三菱倉庫本店」や「高輪消防署二本榎出張所」にも似た、
昭和モダンの匂いを感じます。
この建物、内部が実にいいんですよ。
このあたりは、建築マニアとなった今だからこそ、その価値がわかりました。
一階は住居に、二階がスタジオになっており、
スタジオへ続く階段の窓が洋館っぽくて期待感を高めてくれます。
二階のスタジオは、高い天井が作りだす広々とした空間、
そしてさらに天井から差し込む自然光が開放感を印象付けます。
写真を撮ること自体が「ハレ」の行為だったあの時代、
こんなスタジオで家族写真となると、
そりゃあ晴れがましい気持ちになれるでしょうね。
昭和12年当時は、首都圏もようやく震災と恐慌から立ち直り、
東京の私鉄各社が、秩序あるモダンな郊外住宅地の開発を競い合っていました。
その中で東武鉄道は、東上線の常盤台の開発にあたり、
道路網や駅前広場、公園などを計画的に配し、
さらに電気・ガス・上下水道を完備した文化住宅を分譲。
田園調布と並ぶ郊外住宅地を作り上げたのでした。
この写真館は、
戦前の新興中産階級が集うオサレな町のシンボルとなっていたはずです。
今回、久しぶりに現物と対峙するに当たり、
もし多少建築観察眼が鍛えられた目を通して見たら実は凡庸でしかなかった、
なんてものだったら、建築マニアを標榜しているプロフ写真としては・・・・
なんていう一抹の危惧を抱いていました。
久しぶりに対面した「常盤台写真館」は、
ライトの「帝国ホテル」や岡田信一郎の「歌舞伎座」のような
国を代表したり、大向こうを唸らせるような飛びきりすごい名建築ではないものの、
ある時代の幸せな記憶を切り取った、ホッコリ和める建築物でした。
(うんうん、このブログのコンセプトにぴったりだ)
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私も常盤台写真館大好きです。
2階の写場も素敵ですが 1階の子供部屋が好きです。
by kurakichi (2011-07-10 13:48)
kurakichiさま
さすが、通ですね~。写真館の一階、当時のモダンなライフスタイルと伝統的な日本のライフスタイルが両立していますよね。惜しむらくはなかなか写真で表現しずらくて今回はちょっと割愛しちゃいました。
by opas10 (2011-07-10 14:21)
そうだったんですね♪
行ってみたくなりました★
by Extra-Low (2011-07-10 14:48)
まずは、お誕生日おめでとうございます。齢を重ねるというより、記念日ということで、やはりおめでたいです。^^
プロフの写真は毎回見るたびにどこの建物なのかなと気になっておりました。この建物だったんですね。遠近法と定規でささっと線を引けばキレイに描けそうなのですが、なんかちょっとずれてて面白いですね。中世の城塞のようにも見えます。
by carotte (2011-07-10 21:42)
今月は息子の誕生日だった(汗
あぶない、あぶない ^^;
by かに吉 (2011-07-11 00:14)
こんにちは^^)
何かの著名な建物だろうとは思っていたのですが(^w^)
実物拝見したこと無いのでいつか見てみたいです(^m^)
by rtfk (2011-07-11 16:01)
かっこいい~
子供の頃、人形町に老夫婦が営んでる写真館がありまして、
「ハレ」の日の写真は、そこで撮ってもらってました。
玄関を入ると、洋画に出てきそうな大きな階段のある
素敵な洋館だった記憶があります。
カメラマンのおじいちゃんのお洋服がいつもお洒落で、
セントバーナードかコリーか、そんなカンジの大型犬を室内で飼ってて、
それもまた素敵でした。
私が7~8歳くらいのときに取り壊されちゃいましたけど、、、
by cjlewis (2011-07-15 15:44)
Extra-Lowさま
江戸東京たてもの園、ある時代の東京の街並みを切り取ったような設えになっていて、とても楽しめますよ。被写体には事欠きません。
carotteさま
ありがとうございます。そうですね、浮世に飛び出た記念日ということで(笑)。
>遠近法と定規でささっと線を引けばキレイに描けそう
この例え、ピッタリですね、思わず膝をたたいちゃいました、ポン!
かに吉さま
おお、そいつは忘れちゃイカンですよ!我が家は、開祖(長男)も同じ7月生まれでして、オマケに開祖と師匠は月は違えど同じ28日生まれということで、何かと関連があり忘れないようにできています。
rtfkさま
小金井公園の中にありますので、上京の際はぜひ足を延ばしてみてください。建築ファンじゃなくても十分楽しめますよ。
Cjlewisさま
人形町の写真館!戦災を逃れた貴重な建物だったんじゃないかと思います。そうした素敵な記憶は財産ですね!写真館の御主人って、グラフィックデザインの基本は抑えているからなのか、芸術家ほど気難しくないけど、やはりどこか普通の人とセンスが違うような印象があります。
by opas10 (2011-07-16 11:18)
引用いただきながら、大変遅くなりました。
何々らしく、何々のくせにが嫌いなのは、我々の年代に共通する反体制の気概みたいなものでしょうかね(^_^;)
by ぐす (2011-07-17 21:49)
ぐす様
どうも自分の場合、お恥ずかしいことに「反体制の気概」のようなポリシーに基づいたものというよりは、単なる気分だったりしまして(笑)。その証拠に、長いものには巻かれまくってます(笑)。
by opas10 (2011-07-18 13:44)