またまた真夏に京都（４）：御室・仁和寺その2

つい2年ほど前まで「仁和寺」と聞いいても

「徒然草」の第52段の話に出てくるお寺、というくらいの認識しかありませんでした。

「仁和寺にある法師」から始まる、少々間の悪い（抜けた）お坊さんのお話です。

ところが、一昨年に御室仁和寺駅から見た壮麗な正門にノックアウトされて

よくよく調べてみたら、世界遺産だし、御室桜で有名だし、

五重塔は建築史でもエポックな構造だしで、

実はスゴイお寺だという事実がザクザクと出てくるのでした。

おかげで仁和寺の法師を笑った我が身にも、

徒然草52段の最後の一文がグサリと刺さるのでした。

「少しのことにも先達はあらまほしき事なり」。

 

仁和寺の壮麗な正門、二王門です。

江戸時代に建てられ、左右に金剛力士を安置していることから

二王門と呼ばれ（仁和寺のパンフレットより）、国の重要文化財になっています。

二王門をくぐると、ゆったりした広い参道があり、

その先には大内山、成就山を背にした中門が見えます。

 

参道を進み中門を抜けると、

桃山時代に建てられた京都御所の紫宸殿を

江戸時代初期に移築した「金堂」が建っています。

この金堂、現存する最古の紫宸殿の遺構で、

桃山時代の宮廷建築を伝える貴重な建築物として国宝に指定されています。

この仁和寺は、明治維新まで皇族が問跡となる宮問跡のお寺だったことから、

京都御所の再建の際に多数の建築物を下賜されたそうです。

 

仁和寺は、金堂以外にも「おいしい」建築物がいっぱいありました。

御所清涼殿の材料で建てられた御影堂やら禅宗様式の経蔵やら、

これまた禅宗様式の影響がみられる観音堂やら。

そして五重塔。

建物の中心に一本の心柱を建てる様式で建てられたものです。

境内の建物は金堂以外はほとんどが江戸時代のものです。

（つづく）

 

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コメント 4

仁和寺の和尚の話しは私も覚えていて、京都に行った時、このお寺も見学しました。しかし、あろうことか、かろうじて門をくぐった記憶が残っているのみで、中の建築物についてはほとんど記憶がないことに気がつきました(-_-;)
こんな風になってたんですね。
by carotte (2010-08-22 11:19) 

carotteさま
いえいえ、門をくぐった記憶があるだけでも十分ですよ。自分などは高校の修学旅行で行ったはずの平等院鳳凰堂の記憶が全く欠落していますので（笑）。
by opas10 (2010-08-22 19:42) 

Opas10さんは本当に博学、建築だけでなく。
でも　「少しのことにも先達はあらまほしき事なり」
そうですね。　まだ、我々は学ぶことが多いですね。
五重塔は、素晴らしい日本古来の建物と思います。
by Jetstream777 (2010-08-22 21:40) 

jetstream777さま
私の知識は実は相当怪しいものでして、2年前当時中三の師匠に「徒然草の中で仁和寺にある僧って話があってさあ」としたり顔で言ったところ、「父よ、それは仁和寺にある法師だ」とたしなめられまして（笑）
by opas10 (2010-08-27 23:58)