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深川はスゴイぞ!(3) [建築、デザイン]

もうそろそろいい加減にしたら?と言われそうですが、

相変わらず「ドラッカーとけいおん」の書き出しでして・・・(笑)。

前回、「けいおん」にはドラッカーのエッセンスである

「成果への貢献」、「情報の共有」、「サッカー型&ダブルス型チーム」がある、と書きました。

じゃあどのへんにあるんじゃい、ということでまずは「成果への貢献」です。

ドラッカーは、著書「経営者の条件」の中で以下のように述べています。

「貢献に焦点を合わせることによって、自らの狭い専門やスキルや部門でなく、

組織全体の成果に注意を向けるようになる。」

ちょうど先回carotteさまがコメントをくださった「メンバーが楽器交換をしてみる回」は、

まさにドラッカーの言葉どおりの回でした。

いつも後ろで目立たなくていやだ、とドラマーがちょっと気まぐれでスネてみて、

他のメンバーの楽器を触ってみる、という展開で、

WS000200.JPG

©かきふらい・芳文社/桜高軽音部 

相変わらずのちょいおマヌケな騒動を通して、

それまで気がつかなかった他のメンバーの楽器の面白さと努力を知り、

そして自分の楽器への思いを再確認する、というストーリーでした。

そして、楽器への思いと同時に、

バンドの中における自分のパートを再確認することで、

自分は何を貢献しているか、何を貢献すればよいのかを改めて認識する、

というまさにドラッカーの言葉どおりのお話だったのです。

その結果、何が生まれるかと言うとドラッカーはこう述べています。

「果たすべき貢献を考えることによって、横へのコミュニケーションが可能となり、

その結果チームワークが可能となる。

自らの生み出すものが成果に結びつくには、誰にそれを利用してもらうべきかとの問いが、

命令系統の上でも下でもない人たちの大切さを浮き彫りにする。」 (「経営者の条件」より)

いや~、やはり「けいおん」は深い!!(しつこくつづく)

 

ということで相変わらず長い前説はこの辺りで終わりにして、

ようやく本題の建築探索です。

 

さて、趣ある橋に手招きされて近くに寄ってみると、

やはりタダモノじゃなかったです。

hashi1.jpg

「西深川橋」、1930年に開設され、1983年に大々的に補修されたそうですが、

往時の姿をかなり残していることはリベットの数からも伺えます。

手前にあるのはアンモナイトを象っているとか。

あまりにベタなので撮影しなかったのですが、

ちょうどこの左手にはなぜかシーラカンスのオブジェもあります。

深川にアンモナイトとシーラカンス?・・なぜ?・・・・謎です(笑)。

 

この西深川橋、かつては水運の主要ルートだった小名木川に架かっています。

そしてこの小名木川には、近くにも趣ある古い橋が密集しています。

西深川橋から隅田川の方を眺めると途中に水門があり、

hashi2.jpg

その向こうには、このブログで何度か取り上げたことがある、

これまた趣ある萬年橋が架かっています(過去記事はこちらから)。

 

また、その反対の森下方面に向かうと、

1930年に架けられた「新高橋」。

hashi3.jpg

メカ好きにはたまらない、必要以上に複雑な(?)トラス構造です。

ここまで来るとアングルによってはスカイツリーが見えます。(写真は昨年11月撮影)

 

さて、西深川橋を渡り、清洲橋通りに出ると目の前に現れるのが「清州寮」です。

kiyos1.jpg

1933(昭和8)年竣工、設計・施工とも大林組です。

震災後の区画整理&道路幅拡張によってできた大通り沿いに、

新しいタイプの集合住宅として建てられました。

kiyos2.jpg

プレーンなインターナショナルスタイルのファサードは、

築80年近い古さを感じさせない、均整の撮れた美しい表情です。

細かく仕切られた窓枠が、味のあるクラシカルな上品さを醸し出しています。

kiyos3.jpg

メンテナンスが行き届いており、外壁はとてもキレイです。

こうした古い集合住宅ですと、通常入居者のほとんどが高齢者だったりするのですが、

この清州寮は2/3が若い人で、しかも現在満室だとか。

 

このカットだけ見せられて、京都河原町ですよ、と言われたら

kiyos4.jpg

ああそうですか、って納得しちゃうでしょうね。

東京の下町とは思えない佇まいです。


(つづく)

 

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コメント 4

rtfk

無数のリベットが打ち込まれた鉄骨構造物がものすごく好きです(^w^)
今ではなかなか見られなくなりました。。。
地方よりも首都圏のほうが多く残っているかも知れません。
by rtfk (2011-07-24 16:05) 

carotte

「けいおん」のあの一話はなかなか示唆に富んだ回だったんですね。ドラムだけはそう簡単にはできないですねえ。手足を全部使って、それぞれ独立して動かしますから。
西深川橋の欄干が、頑丈そうな鉄骨の屋根(?)と対称的に繊細で優雅ですね。清州寮は満室ですか。人気なんですね。やはり窓が面白いですね。大きい方の窓はどんな構造になってるんでしょう?
by carotte (2011-07-24 17:53) 

cjlewis

こういう造形の橋、好きです!
by cjlewis (2011-07-29 19:56) 

opas10

rtfkさま
たしかに東京には震災復興の建造物が結構残っていますね。特に隅田川に架かる橋の多くは、「リベット建造物」ですし、この小名木川も穴場です。

carotteさま
あの回の後半でギターの唯が、「りっちゃの代わりに私がドラムやるよ」なんてサラリと言っていたけど、ドラムは無理ですよね~。清州寮の大きな窓は、一見立体的な出窓のようですが、鉄骨フレームのフラットな窓でした。

Cjlewisさま
あのカタチ、一目見ただけで時代を感じますし、なんとなく清洲橋にも共通したものを感じますよね。
by opas10 (2011-07-30 14:02) 

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