目的地の前の寄り道:琵琶湖インクライン [散策録]
平安神宮から銀閣寺へバスで移動する途中に
「南禅寺・永観堂道」のアナウンスを聞き、
一昨年の夏に水路閣に行ったことを思い出していたら、
師匠も同じだったようで、「次は南禅寺に行くべし」。
前回の訪問の際は、水路閣のみで終わったので、今回方丈は見ておきたいところです。
バス停から南禅寺に向けて歩いていると、「琵琶湖疏水記念館」が目に入ってきました。
もしやインクラインも近くにあるのかなあ、と正面に目をやると
ありました、紛れもないインクラインの軌道!
琵琶湖疏水は、都が江戸に移ったことで衰退した京都を発展させるため、
琵琶湖と京都を水路で結ぶことで京都~大津間の舟運を可能にするとともに、
日本初の水力発電で近代化をはかろうとしたものでした。
インクライン(傾斜鉄道)は、傾斜になった路面で荷物などを運ぶためのレールや機械のことで、
この琵琶湖疏水のインクラインでは舟を載せて蹴上の坂を上り下りしていました。
インクライン、実は師匠がずっと見てみたかった場所でもあります。
これはもう登るしかありません。
後ろを振り返ると、さきほどの疏水記念館から遊歩道が出ているようです。
で、早速水路横の遊歩道に出てみると、
あまり見ることのないアングルから京都の街を眺めることが出来ます。
この水路は、丸太町のあたりで鴨川につながっています。
さて、インクラインの跡を歩き始めます。
それなりの傾斜を登っていくと、途中には舟を載せた台車が保存してあります。
水運が大量輸送を担っていた時代ならではの仕組みです。
横を見るとレンガ造りの蹴上発電所。
これも明治期の名建築のひとつです。
坂を登りきったあたりで後ろを振り返ると
眼下に京都の市街地が広がります。
南禅寺の船溜まりから九条山の間のインクラインは、
世界最長だったそうで、その長さ580メートル。
坂を登り切ったところにあるレンガ造りの瀟洒なポンプ室は、
辰野金吾、妻木頼央と並ぶ日本建築界の黎明期の巨頭、片山東熊の手によるものです。
インクラインを後にして南禅寺に向かう途中には
今やすっかり絶滅しかけている、イギリス積みのレンガ隧道があります。
(つづく)
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これはいいところですねえ!
京都にこんなお宝があったとは知りませんでした。
最近ヨーロッパでは水運が見直され始めたとかちらほら聞き及んでおりますし、これは大切にしないといけませんね。
by carotte (2011-05-01 22:39)
インクライン、恥ずかしながら、初めて知りました。
こんな素晴らしいものが残っているんですねぇ。。。
今度京都に行ったら、絶対に見に行かないと!
by cjlewis (2011-05-02 14:14)
carotteさま
南禅寺の入り口、ウェスティンホテルのまん前にこんなお宝が潜んでいるんですよ、やはり京都恐るべし。産業技術遺産にも指定されているようです。
Cjlewisさま
ここ、結構穴場ですよ、見ごたえあります。おまけに桜の名所でもあるそうです。
by opas10 (2011-05-02 17:19)