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鞍馬駅と八瀬比叡山口駅 [建築、デザイン]

荘子の言葉に、「君子之交淡若水」(君子の交わりは水の若く淡い)という、

どこぞの国の政財官界の状況とは正反対を理想としたものがあります。

茶道裏千家14代の二男がそんな言葉を由来とした社名の出版社を作り、

おもに茶道関係の本を出しているのですが、

そんな中に「京都の近代化遺産」(淡交社)という本があります。

サブタイトルが「歴史を語る産業遺産・近代建築物」。

京都のあらゆる歴史建築をとりあげており、

この夏に師匠と行った「京都けいおんツアー」で大変気に入った(気になった)

叡山電鉄の鞍馬駅と八瀬比叡山口駅が取り上げられていました。

先に電車が走ったのは、出町柳~八瀬間で

比叡山へのお参りを目的にした「京都電燈叡山平坦線」が1925年に開業。

八瀬比叡山口駅は、開業当時からの駅舎です。

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設計者は不明。

ホームはアーチ型トラス梁構造です。

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大屋根と張出し屋根の間に窓があり、

上方向からの明かりが入ってくるので、あまり閉塞感を感じません。

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また、開口部壁面の板の先端が尖っているのも面白い。

ホームに置かれたベンチの脚の部分は

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アールデコ調だったりします。

さて、一方鞍馬方面へは、1928年に鞍馬電気鉄道が

京都電燈平坦線の宝が池から市原までを、翌29年に市原~鞍馬間を開業しました。

出町柳から鞍馬に到着してホームへ出ると、

鞍馬の山々を背景にした和風屋根がひときは目立ちます。

鞍馬駅の駅舎も1929年の開業当時からのもの。

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改札の手前で天狗がお出迎え。

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山奥の終点駅にしては大変趣のある佇まいです。

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白壁が実に印象的です。

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照明器具は洋風だったりします。

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こうした建物を見ていると、昔の鉄道は「おもてなしの心」を重んじていたことが感じられます。

南海の浜寺公園駅(なんと辰野金吾設計)もそうだったのですが、

関西の私鉄は古い駅を大切に使い続けるようです、エライ。


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コメント 2

あおい君と佐藤君と宗男議員

八瀬の駅は、ギザギザ模様が面白いですね~♪
これは、ノコギリ扁平アーチと名付けましょう。(笑)
棟にある、擬宝珠みたいなやつもかわいいですね~。
不思議なデザインだけど、ちゃんとお手入れされて、うれしいですね~。
by あおい君と佐藤君と宗男議員 (2009-10-11 19:44) 

opas10

宗男先生

「ノコゴリ扁平アーチ」っていいですね、以後この様式はこの名称で統一しましょう。「看板建築」の藤森先生には絶対にウケますよ(笑)。
by opas10 (2009-10-11 20:48) 

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